夜間頻尿の原因は睡眠時無呼吸症候群かも?|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

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コラム

夜間頻尿の原因は睡眠時無呼吸症候群かも?|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

睡眠時無呼吸症候群についてご存じですか?

寝ている間に無意識に呼吸が落ちてしまい一定時間呼吸が止まる、、、という恐ろしい病態です。

 

症状の代表的なものは以下の通りです。

🔶きちんと寝ているのに疲れが全然取れない 

🔶日中になぜか異常に眠くなる 

🔶自覚はないのにいびきがうるさいと家族に怒られた 

 

など

なぜ無呼吸で頻尿になるのか?

睡眠中は体を休めるため、通常は自律神経である副交感神経(リラックス)が優位になります。副交感神経の緊張緩和により, 膀胱容量は昼間の約1.5倍程度に増加するともいわれています。しかし、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、無呼吸や低呼吸によるに低酸素状態が続くことにより、交感神経(運動や活動時)が優位となります。この状態では寝ているつもりでも疲れが取れる訳がありません。交感神経が優位になると、膀胱の容量が減少するため尿が貯められずに頻尿になります。また睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすると、心臓に大きな負担がかかります。これにより、心臓の働きを保つために、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)というホルモンが分泌されます。ANPは強い利尿作用をもつホルモンであるため、本来であれば夜間減少するはずの尿量が増加してしまい、夜間多尿の原因となることがあるといわれています。ANPについて調べた研究によると、健康な人は覚醒時と睡眠時のANPの量に大きな差がないものの、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、睡眠時のANPの量が覚醒時よりも多くなることがわかっているようです。

 

このように実は睡眠時無呼吸と夜間トイレに頻回に起きてしまう夜間頻尿の症状は密接に関係をしているのですが、まだあまり知られていない一面があります。現状多数の薬を組み合わせて治療をしているのに夜間のおしっこが良くならなくて悩まれている方はぜひ一度ご相談いただければと思います。

 

 

治療について

睡眠時無呼吸症候群の治療で用いる装置には、CPAPASV、マウスピースなどがありますが、中でもCPAPは、最もよく使われている装置です。

CPAPとは、「Continuous Positive Airway Pressure」の略で、「経鼻的持続陽圧呼吸療法」といいます。寝ている間に専用のマスクを装着し、加圧した空気を鼻から送り込むことで、睡眠中の無呼吸が起こらないように機械が自動でサポートします

CPAPの装置は、一定の基準を満たせば、健康保険が適用され機材をレンタルすることができます。自己負担額の目安は、3割負担の方で概ね、毎月5,000円程度です。

 

無呼吸治療の流れは以下の通り 簡単3ステップ

 

step1

睡眠時無呼吸の検査のご希望ある患者さんには検査キットをご自宅に郵送しますので装着をして2晩寝ていただくだけで機械が自動で検査結果を蓄積します。終了後、同封の箱に入れてキットを返送いただきます。

Step2 

当院で外来結果説明 蓄積された検査結果を判定し客観的に治療適応があると判断された場合はCPAP治療を開始する旨を説明させていただき、手続きを行います。

 ↓

Step 3 

契約後、CPCP治療装置がご自宅に郵送されますのでそのまま利用を開始いただけます。以後は月に一度、外来診察で機械に蓄積された検査結果をもとに経過観察いたします。

 

効果について

夜間頻尿がこれだけで完璧に改善するわけではないため、標準治療である投薬も併用しておこなってゆきます。最初は機械の装着に不慣れて機械の使用をやめてしまいたくなることもあるのですが少しの間頑張っていただくと多くの方が慣れてきてその後は快適に使用を続けていただくことが可能です。目安は1-3か月はみていただきたいと考えています。治療がうまくいけば今までたくさん飲んでいたお薬の数種類を減らすことが可能になるかも知れません。現在、どの領域も医療の進歩は目覚ましく、『ポリファーマシー』といわれる現象が問題になっています。ただお薬を上乗せしてゆくだけが治療ではなく、正しく薬を整理しながら物理的なアプローチからも疾患を治療してゆくことができればより生活に影響を出しにくい良い治療が作ってゆけると考えます。いろいろなお薬を使っても治療効果がいまいちであった方は選択の一つとしてみてもよいかと思いますので是非ご相談ください