気になる病名から探す|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

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気になる病名から探す

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尿のトラブル

毎日当たり前にするおしっこですが、突然経験したことのないような症状が出ることがあります。びっくりする方も多いですが、専門科への早めの受診が必要です。なかなか尿のお悩みは他人とシェアするには話題に出しにくい話題であり、つい先延ばしにしてしまいがちではありますが、何かしら病気の見つかるきっかけにもなる可能性もあるためご相談いただければと思います

尿のトラブルでよくある症状と疾患

こんな症状ありませんか?

  • 尿が近く、トイレに行く回数が多い(頻尿、夜間頻尿)
  • 尿の勢いがない、尿が出にくい、途切れる(尿勢低下、尿線途絶)
  • 尿が出始めるまで時間がかかる
  • 尿の切れが悪い
  • 尿をする時に出口が痛む(排尿痛)
  • 排尿後も残っている感じがする、すっきりしない(残尿感)
  • 尿に血が混じる(血尿)
  • 尿に血が混じっていると健診で指摘された(顕微鏡的血尿)
  • 急に尿意を催してトイレに駆け込みたくなる(尿意切迫感)
  • 尿をしたくなってからトイレに間に合わず漏れてしまう(切迫性尿失禁)
  • 咳やくしゃみをしたり、重いものをもったりした時に尿が漏れてしまう(腹圧性尿失禁)
  • 糖尿病や脳血管疾患を患い、膀胱機能が落ちてしまい尿がうまく出せない(神経因性膀胱)

膀胱炎

前立腺肥大症

前立腺炎

血尿

血尿(Hematuria)は、尿中に異常な量の血液が含まれている状態を指します。血尿は異常な尿の色(ピンク、赤褐色、茶色など)や、顕微鏡的に血球が確認されることで診断されます。血尿はさまざまな原因によって引き起こされる可能性があり、原因を特定するためには専門科による評価が必要です。また、悪性腫瘍である可能性が有るためこの点を重点的に検査をするといううことが極めて大切になってきます

血尿の主な分類には以下の2つがあります。

顕微鏡的血尿
(Microscopic Hematuria)
  • 尿検査で赤血球が見つかるが、肉眼的には尿が異常な色をしていない場合。
  • 健診などで偶然指摘されることが多い。
肉眼的血尿
(Gross Hematuria)
  • 尿が異常な色(ピンク、赤褐色、茶色など)をしている場合。
  • 目で確認できる血尿であり、ご自身が気づくことで受診をされます。

血尿の主な原因

  • 尿道炎や膀胱炎などの尿路感染症
  • 尿路結石
  • 腎臓疾患:腎臓の外傷、腎損傷、糸球体腎炎 など
  • 膀胱や腎臓の腫瘍:膀胱がんや腎臓がん など

血尿が継続する場合や他の症状とともに現れる場合は、特に迅速な専門科による評価が重要です。

 

骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱)

加齢の変化で骨盤底の筋肉が弱くなり、子宮や膣壁が正常の位置より病的に下垂する病気です。進行すると膣外に子宮、膣、膀胱、腸管などの臓器が排出される状態になります。更年期以降の女性に認められ、お産経験がある女性の約半数に生じるともいわれています。
軽度では自覚症状がなく、進行すると尿失禁や頻尿、異物感などが生じてきますが、脱出部位により、症状は様々です。治療は体操(骨盤底筋訓練)、ペッサリー(膣内に器具を入れて下垂を抑える)療法、手術療法があり、症状や年齢によって選択されます。基本的に臓器脱は手術をはじめとした物理的な療法が適応になることが多く、投薬の効果は得られにくいとされています。また婦人科での治療が必要になることもあります。

過活動膀胱

過活動膀胱(Overactive Bladder, OAB)は、膀胱の筋肉が異常に過活動で、意図せずに収縮することによって引き起こされる症状の総称です。この状態により、尿意を感じずに急に尿がもれる(尿失禁)、頻尿、夜間頻尿が生じることがあります。過活動膀胱は比較的一般的で、年齢や性別に関係なく発症することがありますが、特に高齢者や女性に多い傾向があります。

過活動膀胱の主な症状には以下が含まれます。

  1. 頻尿(Daytime Frequency):通常よりも頻繁にトイレに行くことです
  2. 尿意切迫感(Urgency):尿意が急に発生し、我慢することが難しい状態です。
  3. 切迫性尿失禁(Urge Incontinence):尿意を感じ、トイレにつく前に間に合わずに尿がもれることがあります。このほかにも様々なタイプの尿もれがあります
  4. 夜間頻尿(Nocturia):夜中に複数回起きてトイレに行くことです

過活動膀胱の原因ははっきりしていない場合がありますが、脳神経系の問題、膀胱の筋肉の異常な刺激、感染症、膀胱結石、または炎症などが関与する可能性があります。

治療

  1. 薬物療法:神経系や膀胱筋を抑制する薬物が使われます。
  2. 膀胱の訓練:意図的に尿を貯めることで尿意をコントロールするトレーニングを行います。
  3. 物理療法:電気、磁気刺激などの物理療法が行われることがあります。
  4. 手術:他の治療が効果的でない場合には、ボツリヌス毒素注入を検討します。

神経因性膀胱

神経因性膀胱(Neurogenic Bladder)は、神経系の障害によって引き起こされる膀胱の機能障害を指します。神経因性膀胱は、中枢神経系(脳および脊髄)または末梢神経系(膀胱周辺の神経)の損傷によって、正常な膀胱の収縮と弛緩の調整が妨げられた状態を示します。これにより、排尿や膀胱の充満が適切に制御されなくなります。

主な原因としては以下が挙げられます。

1.脊髄損傷

最も一般的な原因であり、脊髄の損傷が神経伝達を妨げ、膀胱機能に影響を与えます。

2.神経障害

神経系の疾患や障害、例えば脳卒中、多発性硬化症、脳性麻痺などが神経因性膀胱を引き起こすことがあります。

3.糖尿病

3.長期にわたる糖尿病が神経組織に損傷を与え、神経因性膀胱を引き起こす可能性があります。

神経因性膀胱の症状には、尿漏れ、頻尿、残尿過多、排尿障害などが含まれます。診断は、患者の症状、病歴、神経学的な評価、および検査(例:尿検査、膀胱造影、尿流検査、)に基づいて行われます。

治療は原因や症状により異なりますが、一般的には薬物療法、膀胱の訓練、物理療法、外科手術などが行われることがあります。疾患そのものの完全な改善は難しいことが多い領域になりますので、症状管理や生活の質の向上を目指すことが最も重要です。

尿もれ(尿失禁)

尿失禁(Urinary Incontinence)は、意図せずにおしっこがもれる状態を指します。多くは『尿もれ』と表現されます。これは一般的な問題であり、年齢や性別に関係なく発生する可能性があります。尿失禁(尿もれ)は異なるタイプがあり、その原因や症状は様々です。以下に、主な尿失禁(尿もれ)のタイプとその特徴について説明します。

1.腹圧性尿失禁

特徴

腹圧が急激に上昇するときに尿がもれる。例えば、咳、くしゃみ、笑い、体を起こすなどが誘因となりやすい。

原因

骨盤底筋の弱体化、妊娠・出産、加齢、手術などが原因となることがある。

2.切迫性尿失禁

特徴

急な尿意を感じ、トイレに行く前に尿がもれる。頻尿も伴うことがある。

原因

膀胱筋の過活動、神経因性膀胱、感染症、膀胱炎などが原因となることがある。

3.混合性尿失禁

特徴

腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状が同時に現れる。

原因

複数の要因が組み合わさって発生することがあります。

4.機能性尿失禁

特徴

体の動きや認知機能の問題により、トイレに間に合わずに尿がもれる。

原因

老化、身体の制御機能の低下、認知症などが関与することがあります。

5.溢流性尿失禁

特徴

膀胱内に過剰に尿がたまり限界を超えて漏れてしまう。尿意を感じないことがある。腎臓に逆流が起きて発熱や腎臓の機能の低下につながることがありますので早急に正しい処置が必要となります。

原因

尿の通り道の閉塞、膀胱の筋肉の損傷、神経因性膀胱などが原因となることがあります。

尿失禁の治療法は症状や原因によって各々異なります。薬物療法、物理療法、挿入物の使用、手術などが行われることがあります。当院では特に腹圧性尿失禁に対する磁気治療医療機器を導入しております。ご希望の方は相談ください。

尿路結石

1. 尿路結石の原因

尿路結石は、尿の中のミネラル成分が固まり、結晶化することで発生します。主な原因には以下のようなものがあります。

(1)食生活の影響

  • シュウ酸やカルシウムの過剰摂取
    • ほうれん草、ナッツ、チョコレート、紅茶などシュウ酸を多く含む食品の摂りすぎ
    • カルシウムとシュウ酸が尿中で結合し、結石が形成される
  • 動物性タンパク質の過剰摂取
    • 肉類や魚の摂りすぎが尿の酸性化を引き起こし、結石ができやすくなる
  • 塩分の過剰摂取
    • 塩分を多く摂ると、尿中のカルシウム排泄が増加し、結石形成のリスクが高まる

(2)水分不足

  • 水分摂取が少ないと尿が濃縮され、結石ができやすくなる
  • 特に汗をかきやすい夏場はリスクが上昇します

(3)生活習慣や病気

  • 肥満・メタボリックシンドローム
    • 肥満や糖尿病は尿のpHバランスを崩し、結石形成の原因になる 7割は体質によるものであるといわれています
  • 痛風・高尿酸血症
    • 尿酸値が高いと尿酸結石ができやすくなる
  • 遺伝的要因
    • 家族に尿路結石の患者がいる場合、発症リスクが高まる

2. 尿路結石の治療

尿路結石の治療方法は、結石の大きさ・場所・症状によって異なります。日本の診療ガイドラインでは、以下のような治療が推奨されています。

(1)自然排出を待つ(保存的治療)

  • 対象:結石が5mm以下で、激しい症状がない場合
  • 方法
    • 水分を多く摂る(1日2L以上の水分摂取を推奨)
    • 適度に運動する(ジャンプやウォーキングで結石の排出を促す)
    • 鎮痛薬を使用する(ロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬を服用)
    • α遮断薬(タムスロシンなど)を使用することもある(尿管の筋肉を弛緩させ、排出を助ける)

(2)体外衝撃波砕石術(ESWL)

  • 対象:結石が5~20mmで、自然排出が難しい場合 → ただし、位置と大きさによるため個人によって治療適応に大きく差がでます
  • 方法
    • 体外から衝撃波を当てて結石を砕き、尿とともに排出させる
    • 非侵襲的で体への負担が少なく、日帰り治療が可能
    • 砕いた後に尿管で詰まることがあるため、事後管理が重要

(3)内視鏡手術(TUL・PNL・ECIRS)

  • 対象:結石が20mm以上で、自然排出やESWLが困難な場合
  • 方法
    • TUL(経尿道的結石破砕術)
      • 尿道から細い内視鏡を挿入し、レーザーで結石を砕く
      • 尿管結石に適用されることが多い
    • PNL(経皮的腎砕石術)
      • 背中から腎臓へ直接管を入れ、大きな結石を砕いて取り除く
      • 大きな腎結石に適応 

(4)開腹手術(まれなケース)

  • 直径2cm以上の巨大結石や、他の治療が困難な場合に適応 
  • 現在では内視鏡手術の発展により、開腹手術が必要になることはかなり少ない

3. 尿路結石の予防

尿路結石は再発しやすいため、以下のような生活習慣の改善が推奨されます。

(1)水分を十分に摂る

  • 1日2~2.5Lの水を飲む(特に寝る前と起床後にコップ1杯の水を摂取)
  • 夏場や運動時はこまめに水分補給

(2)食事の見直し

  • 塩分を控える(1日6g未満が推奨)
  • シュウ酸を多く含む食品を避ける(ほうれん草、チョコレート、紅茶、ナッツ類など)
  • 動物性タンパク質を摂りすぎない(肉や魚の過剰摂取を避ける)
  • クエン酸を含む食品を摂る(レモン・梅干し・柑橘類は結石形成を抑える効果がある)

(3)適度な運動

  • 軽いジョギングやウォーキングを習慣化する
  • 長時間の座りっぱなしを避ける(尿の流れを良くするため)

まとめ

尿路結石は、食生活や生活習慣の影響を受けやすく、再発しやすい病気です。

  • 5mm以下の小さな結石は自然排出を促す
  • 5~20mmの結石は手術、衝撃波治療(ESWL)も位置により有効だが、基本的にはTULといわれる経尿道的内視鏡砕石術が成功率も高く標準治療としての普及率も高い
  • 20mm以上の大きな結石は内視鏡手術(PNL・ECIRS)が必要。高い技術力が必要な手術です
  • 予防には水分摂取と食生活の改善が重要

痛みや血尿などの症状があれば、早めに専門医のいる医療機関を受診しましょう。特に治療法に関しては治療選択と適応が何よりも治療の成否を分けるためしっかりと相談する必要があります。