泌尿器の悪性疾患
泌尿器の悪性疾患
上記のような症状がみられた場合は隠れた泌尿器の悪性腫瘍(がん)の可能性もあるため年齢のせいにしたり、一時的なものとして放置せずに是非相談してください。血尿などは症状としては派手にみえますが痛みがなかったりすると、怖くて受診をためらってしまうということが多くあります。泌尿器科の悪性腫瘍はどの部位の病気も病状が進行するまで自分でわかるような症状がとても出にくいという特徴があることから発見することが遅れがちです。
年間約95,000人以上が前立腺がんと診断され、男性が新しく罹るがんの中ではすべての臓器の中で現在1位です。
前立腺のがんは初期の症状としてご自身で自覚できる症状はほぼありません。年齢を重ねるとともに前立腺は肥大をすることから排尿に関する症状は年のせいとして気にせずに積極的に検査をせずに生活をしていたら実は前立腺がんを持っていたという方は非常に多く見かけるため注意が必要です。診断にはPSAという血液腫瘍マーカーを用いた検査を行います。主に市町村の健康診断(PSA健診を行っている場合)、会社の健康診断でのオプション等で偶然発見されて受診される方が多いです。
血液検査でのPSAが高い場合は診断を確定するために組織診断をする必要があります。その場合は入院が可能な病院で検査を行っていただくことが必要になるため検査可能施設へご紹介いたします。
病期に応じて手術療法、放射線療法、ホルモン療法を行います。
人口10万人当たり18.5人程度に認められる病気です。男性は女性の3倍罹患しやすいといわれています。喫煙、アルコール、一部の化学溶剤などが原因と言われています。
主に血尿(顕微鏡的血尿、肉眼的血尿)をきっかけに受診をされることが多いです。尿検査で赤血球の有無、尿中にがん細胞があるかどうかを調べます。併せて超音波検査(エコー)で膀胱形状や腫瘍の有無を確認します。必要に応じて膀胱鏡検査を行い直接膀胱内の様子を観察することで診断します。診断にはなるべく体の負担がすくない検査から行っていきます。
診断後は手術療法(TURBT)が第一選択になることが多いです。組織診断によってその後の治療方法が大きく変わります。
10万人当たり24.1人に発生するといわれており、男性に多い病気です。
わずかな血尿や、他の病気でCT等を撮影した際に偶然見つかることが多く、進行するまで症状が出ないことが多い病気です。診断には超音波検査や造影CT、MRI等画像診断機器を組み合わせて診断をします。
他の臓器に転移がない場合は手術療法を選択することが多いですが、全身の状態に合わせて手術が難しい場合は、内服や点滴を組み合わせた治療が選択されることもあります。
10万人に1人程度で15~35歳の男性で最も頻度の高い悪性固形腫瘍です。発生率は停留精巣を呈する患者で2.5~20倍高いとも言われています。
大半の方は陰嚢腫瘤を認めて、無痛性、またはときに鈍くうずく疼痛を伴う。見た目として明らかに大きくなっていることが多い。少数の患者さんでは,腫瘍内への出血が急性の痛みをもたらすことがある。多くの患者さんは軽度の陰嚢外傷後に腫瘤を自分で発見することで受診されることが多いです。検査は以下のものを行い総合的に判断します。
血液検査によるα-フェトプロテインやβ-HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)などの腫瘍マーカーを用いて診断を行います。
まず高位精巣摘除術を行うことが一般的です。組織診断後に組織の種類によって治療法は異なりますので診療ガイドラインに沿った治療を選択することが最も重要です。