小児の泌尿器疾患|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

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小児の泌尿器疾患

小児の泌尿器疾患|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

小児の泌尿器疾患

当院ではお子様の診療も積極的に行っています。おしっこ、おねしょ、おちんちんのことなど、心配事があれば受診してください。痛い検査はありません。お子様もご家族も安心して診療を受けていただけるよう、診察や治療の内容を丁寧に説明しています。

小児泌尿器でよくみられる症状と疾患

こんな症状ありませんか?

  • おねしょが治らない
  • 精巣が袋の中に触れない、健診で指摘をされた
  • 精巣の入っている袋が大きい気がする
  • おしっこをするときにおちんちんの先が膨らむ

多くのお子様はおちんちんが痛かったり辛かったりしても、自分からうまく言葉で表現することができません。泌尿器科の扱うおしっこやおちんちんの問題は非常にナイーブで、お子様が隠したがる症状でもあります。これは親御さんにとっても同じでどこに相談していいのかわからないという代表的な領域です。何となくもじもじしていたり、いつもと違う様子があった際にはまず一度ご相談ください。

おねしょ(夜尿症)

頻度

一般的に5歳で15%、7歳で10%、10歳で5%、中学生で3%程度の割合で認められるといわれています。男女比は約2:1で男児に多いとされています。ご両親のどちらかに夜尿症の既往がある場合、40%のお子様に夜尿症が出現するとされていますが、明らかな原因はまだわかっていません。

症状と治療

まず基本的に成長するにつれて治ることがほとんどであるという認識を持つことが大切だと思います。症状をお持ちの方の年間15%ずつが改善してゆき成人になるまでにほぼ良くなることがわかっています。
5歳以降で月1回以上のおねしょが3ヶ月以上続く場合を、夜尿症と診断します。膀胱の機能が未熟なこと、夜間多尿、睡眠中に尿が溜まっても起きられない、便秘があることなどの問題が原因となっていますが身体的、構造上の問題のみならず精神状態も関係しているため一概には言えない部分も多いです。基本的な問診、尿検査、排尿記録(尿の回数や排尿量の記録)、身体診察などから、これらの原因をきちんと評価し考えることが大切です。治療を行うとより早くコントロールが可能になることがあるといわれています。主な治療方法は生活指導から行いますが、薬、アラーム療法などで、年齢や原因に合わせて行います。

夜尿症、つまり“おねしょ”は治療できる病気だという認識が必要です。
夜尿症は、5歳以上で、1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くものと定義されています。罹患率は5歳で15%、7歳で10%、10歳で5%、中学生で2~3%と言われていますが、実際に治療を受けているお子様は患児の6~7%に過ぎないという報告もあります。

普段から劣等感を感じたり、学校の宿泊行事に安心して参加できないことは自尊心を低下させ、学校生活を楽しく過ごせない一因になってしまいます。
治療の開始は早いほうが良いと言われており、10歳未満で治療を開始すると、2年以内に8割以上改善すると報告されています。学校生活を考えますと、7、8歳前後までには治療を開始することが望ましいと思われます。

治療は、生活習慣や排尿習慣の改善を行いつつ、夜間の尿量を減らす薬などを使いながら経過を診ていきます。治療には本人だけではなく、ご家族の協力も大変重要になりますし、長い目で見ながらできることからひとつずつ、治療に前向きに取り組んでゆく気持ちも大切です。

停留精巣・移動性精巣

精巣はもともと男の子のおなかの中に発生し、通常は生まれるまでに陰嚢に下降します。下降が不十分で、おなかの中や鼠径部(足の付け根)に精巣が留まっている状態を、停留精巣といいます。新生児の2~5%程度に一方または両側の停留精巣を認めるといわれています。移動性精巣といって、精巣が陰嚢と鼠径部を行ったり来たりしている場合もあります。停留精巣は、適切な時期に手術が必要です。移動性精巣は経過観察が可能ですが、停留精巣と同様に手術が必要となる場合もあります。多くはお子様の精巣の位置、大きさ(左右差)などの心配事があれば受診してください。

包茎、恥垢

包茎とはおちんちんの先の亀頭部(きとうぶ)が包皮(ほうひ)で被われていて露出していない状態をいいます。包皮は外板(がいばん)と呼ばれる外から見える皮膚の部分と、内側に折り返している内板(ないばん)と呼ばれる部分からなります。乳幼児期は内板と亀頭はくっついていて皮膚がはっておらず、出口の部分(包皮口、ほうひこう)が狭くなっています。

亀頭がほぼ露出する割合は6ヶ月未満では5%未満ですが、3~4歳では約半数程度になり、11~15歳で7割を超えるといわれています。だんだん先端の皮が伸びてゆき次第に亀頭が露出されてくるのですが、包茎の程度が強いとそれが起こらず隠れたままになります。衛生状態も保つのが難しくなることからちんちんの先の皮の部分が赤くなり痛くなることを繰り返したり、おしっこすするときに皮の中にいったんおしっこがたまってしまって膨れてから排尿される(バルーニング現象)等が起こるような場合は手術加療が必要なこともありますので気になるようでしたらご相談ください。大切なことは決して無理に剥いてしまわないことです。皮が戻せなくなり陥頓(かんとん)といわれる状況に陥ると緊急手術が必要な場合もありますので注意が必要です。

 

恥垢は包皮と亀頭の間に見える白っぽい垢のようなものです。誰にでも見られる分泌物であり異常なものではありません。亀頭と包皮の間を徐々に剝がしていってくれる作用があるものなので近年の見解では無理にとる必要はないといわれております。成長と共に自然に消失してゆきます。

精索静脈瘤

 

小児の精索静脈瘤について

精索静脈瘤とは?

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは、陰嚢(いんのう)の中にある精索静脈が拡張して瘤(こぶ)のようになる状態を指します。思春期の男子に比較的よく見られる病気で、特に左側に発生することが多く、約10~15%の男児にみられます。

小児での特徴

小児の精索静脈瘤は多くが無症状ですが、放置すると将来的な精巣の成長障害や不妊症のリスクが懸念されるため、注意が必要です。


診断

日本泌尿器科学会のガイドラインに基づき、以下のような方法で診断を行います。

  • 視診・触診:立位での陰嚢の視診と、いきみ(バルサルバ法)時の静脈の拡張確認。

  • 超音波検査(エコー):静脈の拡張度や血流の逆流を確認。精巣の大きさの左右差も重要な診断所見です。

  • ドップラーエコー:より正確な血流評価が可能です。


治療方針

保存的経過観察

以下のような場合には、定期的な経過観察が推奨されます。

  • 症状がない

  • 精巣の左右差がない

  • 学童期で成長の経過を見たい場合

手術適応(ガイドラインに基づく)

以下のような場合には手術が考慮されます。

  • 精巣の左右差(大きさ)が20%以上

  • 明らかな逆流所見があり、精巣発育の遅れが懸念される

  • 精索静脈瘤による痛みや違和感がある

手術方法

  • 顕微鏡下精索静脈瘤結紮術(マイクロサージャリー):合併症が少なく、再発率も低いため、近年主流となっている方法です。

  • 腹腔鏡手術:両側や高位結紮が必要な場合に有用です。


最新の知見と動向(2020年代以降)

  • 小児期の手術は精巣機能温存の観点から早期介入が有効とする報告も増加しています。

  • **精巣の容積比(左右差)**を超音波で定量的に評価し、治療方針を決定する手法が一般化しつつあります。

  • 将来の生殖機能との関連性を重視した長期予後研究が進んでおり、術後の精巣機能改善のエビデンスも蓄積中です。


まとめ

小児の精索静脈瘤は、症状が少なく見過ごされがちですが、将来の精巣の発育や生殖機能に影響を与えることもあるため、適切な診断と治療判断が大切です。当院では、最新の診療ガイドラインとエビデンスに基づき、お子さま一人ひとりに適した診療、評価を行っています。手術治療が必要な際には高度専門医療機関と連携しているためご紹介させていただきます。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。