男性の泌尿器疾患
男性の泌尿器疾患
尿道炎は細菌感染や尿道の粘膜に傷ついたり感染が起きたりすることで症状が出てきます。クラミジア性尿道炎や淋菌性尿道炎など性感染症によることが多く、排尿時に焼けつくような痛みやかゆみ、不快感があります。尿道から黄色や白色の膿が出て下着を汚したり、尿出口が赤く腫れたりします。頻尿などの症状が現れることもあります。男性の場合、尿道炎を放置すると精巣上体炎(副睾丸炎)に進行することがあります。また、長期的に見た場合尿道狭窄となり、排尿に支障をきたすようになるため、早めの受診と正確な診断、治療介入が必要です。検査は当日に結果の出る迅速検査と後日結果がわかるものがあります。基本的には自費診療となりますがケースによっては保険診療で行い場合もあり詳しくは医師にお尋ねください
日本では人口の約15%程度、1000万人以上の男女が罹患するといわれている頻度の高い病気です。
膀胱の収縮活動がコントロールを失い、膀胱に尿が十分にたまっていない段階から、膀胱が過度に反応してしまい強い症状がでてしまう状態です。頻尿と強い尿意が頻発し(尿意切迫感)、我慢することができず、トイレに行くまでの間にも漏らしてしまう症状(切迫性尿失禁)などが発生します。前立腺肥大症、慢性的な膀胱の炎症などによる刺激、脳血管疾患の既往、精神的なストレスなど原因は様々ですが、原因がはっきり特定できないケースも少なくありません。また、膀胱の不調だと思っていたが実は腰が悪いことが原因になっていたということも非常によく見かけるケースです。しかし、このケースの診断は泌尿器専門科でないと難しく、診断がつかずいろいろな病院を受診していることも少なくありません。
診療では、他の病気の可能性も含めて、問診、排尿日誌や身体検査(腹部エコー検査、血液検査、尿検査、尿流測定など)を行います。生活習慣の見直しで症状の改善が見込めることもある病気ですので、内服治療をメインに行いますが薬だけに頼らず生活習慣の見直しや指導も積極的に行っていきます。
また投薬をしてもどうしてもコントロールの難しい症状に対してはボトックス膀胱壁内注入療法やテスラ磁気治療システム(詳しくはスターフォーマーProのページを参照ください)を用いた治療も検討いたします。
腎臓から尿道につながる尿路に結石ができる疾患で、結石のある部位によって腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分けられます。泌尿器科外来で頻度の高い疾患の一つで、20人に1人が一生に一度は罹患し、男性が女性の約3倍多いとされています。
代表的な症状としてはとんでもない激痛が起こり、発熱や吐き気、嘔吐を伴うこともあります。あまりの痛みに救急車で運ばれたなどの話は皆様も一度は耳にしたことがあるかも知れません。尿検査、画像検査(超音波検査・レントゲン検査・CT検査など)で疑わしい場合、まず強力な鎮痛薬を使用し痛みを抑えます。その後、結石の大きさや位置を確認し、治療方針を検討します。5ミリ以下の小さい結石であれば、薬剤を使い自然に体外に結石が出るタイミングを待つ保存療法が基本になります。大きな結石や、自然排石が難しいと考えられる場合には、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)やレーザーを用いた内視鏡手術(TUL PNL ECIRSなど)が行われます。内視鏡手術に関しては基本的に入院が必要ですが、体外衝撃波による破砕の場合は外来通院で加療を行うことが可能な場合もあります。いずれにせよ専門機関での検査、治療が必要になることも多く必要に応じて適切な機関病院へご紹介することを検討いたします。症状を無理に我慢すると腎盂腎炎などを起こしてしまい命に関わるほど重症化してしまう可能性もあるため早めに受診を検討することをお勧めします。
急性前立腺炎の多くは大腸菌などの細菌が尿道から侵入し、前立腺にバイ菌感染することで起きます。血液から細菌が前立腺に侵入して感染する場合もあります。症状としては、高熱(発熱)や全身の震え、排尿のしにくさ、排尿の時の痛みや残尿感、頻尿、全身倦怠感が生じ、症状の程度はすごく強いことが多いです。さらに急激に悪化した場合、敗血症などを併発する危険性があるため早期治療介入が非常に重要です。症状の強さにより入院加療を要する場合があります。上記のような症状がある場合は我慢せずに医療機関に相談することをお勧めします。
慢性前立腺炎は長時間座ったままの姿勢を取り続ける人、自転車等物理的な圧迫を受ける等が原因の一部になるといわれている病態で働き盛りの30~40代の男性に多いのが特徴です。会陰部(精巣の袋とおしりの穴の間)や尿道の奥の方のなんとなくの不快感、排尿後の鈍い痛み、射精時射精後の痛み、精液に血が混じるなどの様々な症状が現れます。治療は症状によって異なりますが、原因がよくわからないことも多いのも最大の特徴の一つです。今までに尿路の感染症(性感染症を含む)の治療歴がある等、イベントをきっかけにその感染が慢性化してしまうことで治りが悪くなることもありますが客観的な検査(尿検査、血液検査)で異常値が出ないことも多く精神的なものだと判断されて適切な治療が受けられないまま様々な医療機関を受診される方もよく見かけます。症状が個人により違うことが多くご本人もつらいのだけれども症状を的確に説明することが難しいことも多々あります。治療は症状に応じて抗菌薬の投与や漢方薬を使用することが一般的ではありますが周辺の血流障害を含む複雑な病態が密接に絡んでおり解明されていないことも多い病気のため比較的長期間の加療が必要になることもあります。
前述のとおり、慢性前立腺炎は難治性であり本当にお困りの方は多くいますが保険診療での治療法は残念ながら限られております。当院では慢性前立腺炎にもスターフォーマーPro を用いた治療のご提案もさせていただいておりますので気になる方は諦める前にご相談ください。
前立腺肥大症は、前立腺の病気のなかで最も頻度の高い病気です。現在、日本人の5人に1人以上が前立腺肥大を有しているとも言われています。
前立腺が肥大すると排尿に関する様々な症状が現れます。前立腺は男性特有の臓器で尿道の一部を形成しています。そのため前立腺が肥大すると、尿道を圧迫しておしっこの出にくさが出現します。一般的な成人男性の前立腺は、クルミぐらいの大きさと例えられますが、肥大すると卵ぐらいの大きさ以上になることもあります。
代表的な症状としては、夜中に何度もトイレのために起きたり(夜間頻尿)、排尿までに時間がかかったり(排尿困難)、尿線が細くなります(排尿時間延長)。さらに進行すると尿が全く出なくなります(尿閉)。特に夜に何度も起きてしまう夜間頻尿を症状の最初として来院される方は非常に多いですが、年のせいと思ってそのまま生活をされている方がとても多くいらっしゃる印象です。
一般的に症状から病気を疑う国際的評価方法(IPSS)、身体診察・検査として超音波検査や残尿測定・尿流量測定等があり、当院では前述の検査すべてを行うことができます。
第一選択は内服による薬物療法です。数種類のくすりを効果不十分な時には手術療法を検討する必要があります。
40歳から70歳の日本人を対象にした調査によると、全体の約35%の男性が「EDがある」と回答しているとのデータがあります。
ED(Erectile Dysfunction)とは「満足な性行為を行うのに十分な勃起を得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。単に勃起しない状態だけではなく、陰茎の硬さが不十分であったり、勃起が保てない状態のこともEDに含まれます。以下のように原因によりいくつかの分類に分けることができます。
精神的なコンディションが引き金となる勃起障害
過去の体験や、性器の大きさなどによる劣等感等が原因となるEDです。心因性勃起障害には心理療法が効果があるといわれており、必要に応じてED治療薬が併用されることもあります。
血管や神経のトラブルが原因となる勃起障害
動脈硬化や末梢神経障害といった血管や神経の病気が原因になるEDを器質性勃起障害といいます。糖尿病や高血圧といった基礎疾患が背景にあることが多いため、ED治療薬だけではなく、持病の治療がとても重要になります。
心因性と器質性の両方の要素がある勃起障害
心因性と器質性の両方の要素が併存しているタイプです。
状況に応じた治療を行いますが基本的には内服治療を行うことが多いです。当院ではバイアグラ、シアリス等処方が可能です(ED治療は自費診療となります)精神的な要因に対しても投薬の併用により効果を発揮し成功体験を重ねることで安心感を得られ改善してゆくことも多くみられます。
※血管を広げて効果を得ることが薬の原理のため、狭心症に使う薬や不整脈を治療する薬を同時に内服すると血圧が下がりすぎて危険なこともあるため該当する方には処方を行うことはできません。初診時のカウンセリングで状況を確認いたします
精索静脈瘤は男性の15%程度に認められるとされ、思春期以降に認めます。
精巣の入っている袋、陰嚢の血管が膨らむことで気が付かれることがあります
この状態は男性不妊症を認める男性に頻度が多いことが知られています。精索静脈瘤の存在は、精子の生産数や質を低下させたりするために男性不妊の原因になるとされています。そのため専門機関での診断や、適切な時期の治療が必要になることがあります。
陰嚢(精巣の入っている袋)の腫れや睾丸のしこりにある時気が付くことがあります。痛みを伴う場合(有痛性)とそうでない場合(無痛性)があります。痛みを伴う場合の多くは急激に症状を発生するような感染症の可能性が高いと一般的には考えられますが、痛みがない場合は要注意です。気が付きにくいことに加えて症状がないため受診をためらわれる方が非常に多いです。また症状に気が付いていても恐怖心から受診をためらわれる方までいらっしゃいます。悪性腫瘍の可能性が一部あるため、受診しにくい気持ちを振り切って必ず早急に泌尿器科専門医へご相談ください。
男性ホルモンである『テストステロン』が加齢に伴い段階的に下がってゆくことにより起こります。出現する様々な症状(なんとなく元気がない 睡眠が浅い 食欲がない 性欲がない、気分が落ち込むなど)でお困りの方のための治療を行っております。