前立腺肥大症手術について
前立腺肥大症手術について
前立腺肥大症の手術には様々なものがありますが、ほぼ、どの術式にも共通する大きな基本的な目的の一つは『前立腺の大きさを物理的に減らす』ということです。各々使う手術機材の特徴と方法の違いにより特徴は異なりますが、技術の進歩により患者さんに安全に手術を受けていただけるようになっています。以下各々の手術の特徴について説明いたします。
1900年代前半から行われている最もスタンダードな方法です。電気メスを使用して前立腺を切除することで大きさを小さくしてゆきます。みかんに例えると果肉を削り取るような方法になりますので手術中はそれなりに出血がみられることがあります。
また前立腺が大きい方は手術時間が長くなり、出血性合併症が出るリスクが上がることがあります。しかし、長きにわたり前立腺手術のスタンダートとして今も行わてれている確立された安全な手術です。
前立腺はみかんの皮と果肉の間のように、内腺と外腺とに分かれます。その間をくり抜いて、通り道を狭くしている前立腺を除去する方法です。核出術では主にレーザーを用いることが多く、切除術のような出血はありません。確立された術式ではありますが、難易度は高めで習熟した技術が必要です。前立腺除去率はとても高く、うまくいくとかなり尿の勢いの改善は得られことが多いです。現在日本では最も施行されている術式の一つとなります。
蒸散術は読んで字のごとく、通り道を狭くしている前立腺内腺を蒸発させます。高エネルギーのレーザーを使用して行う手術で、特に止血力に関して定評があるため、手術中、術後の出血性合併症が特に少ないです。抗血小板薬などの血液サラサラのお薬を内服している方でも受けることができます。また高エネルギーレーザーを使用しているため手術効率も良く短い時間で手術を終了することができます。
現在最先端の方法となります。前記の術式とはややコンセプトが異なる面もありREZUMは前立腺内部に高温の水蒸気を打ち込むことにより内部から邪魔をしている前立腺内腺を壊死させ、通り道を広げる方法となります。効果が出るまでに数か月を要しますが、体にかかる負担は段違いに低く、出血のリスクはほとんどありません。そのため日帰り手術で行っている施設もあります。Aquablation(アクアブレーション)はロボットを使用した自動化された前立腺切除術です。電気メスではなく、強力な水流を用いることにより前立腺を切除します。かなり大きな前立腺でも短い時間での手術を行うことが可能です。ロボットでの前立腺切除後に止血を行うのは人間の手で行います。日本全国でもまだ行える施設がかなり限られている術式となります。
現在、このように国内で様々な前立腺の手術を受けることは可能ですが、どこの病院でもご希望の術式が選択して受けられるわけではありません。
また前立腺の大きさや形状により、適している術式が異なる場合があります。そのためご希望の術式がある場合、当該病院をご自身で探さなくてはなりません。
院長はCVPという半導体レーザーを使用した手術を特に得意としています。現在も定期非常勤として前勤務先に手術指導に出ております。前立腺肥大症手術に関して、以下のようなお悩みがある方はご相談ください。
など
相談だけでも自費診療にはなりますが医療相談という形でご相談をお受けいたします。
受診の際に今までの経過や検査結果のわかる資料をお持ちいただけると助かります。