
夏場に多い「膀胱炎」と正しい水分摂取のコツ
― 泌尿器科医が教える夏の健康管理 ―
夏は膀胱炎が増える季節です
暑くなると汗をかくことで体内の水分が失われ、尿量が減ることをご存知ですか?
尿が減ると、膀胱内に細菌がたまりやすくなり、膀胱炎を引き起こすリスクが高まります。
特に女性は尿道が短いため、膀胱炎になりやすいといわれています。
膀胱炎ってどんな病気?
膀胱炎は、膀胱に細菌が入り込んで炎症を起こす病気です。
代表的な症状は次のとおりです。
-
排尿時の痛み・違和感
-
尿の回数が増える(頻尿)
-
残尿感
-
下腹部の違和感・痛み
放置すると症状が悪化したり、腎臓にまで感染が広がる腎盂腎炎に進展することもあるため、早めの受診が大切です。
水分不足は膀胱炎の大敵
夏は体から大量の汗が出て、知らないうちに軽い脱水状態になりがちです。
その結果、尿が少なくなり、細菌が洗い流されにくくなってしまいます。
膀胱炎予防のためには、適切な水分補給が欠かせません。
正しい水分摂取のコツ
1️⃣ 1日1.5~2リットルを目安に
汗をかく夏は、普段より多めの水分摂取が必要です。
目安は 1.5〜2リットル/日。こまめに分けて飲みましょう。
2️⃣ 水・麦茶・白湯が基本
糖分やカフェイン、アルコールを含む飲み物は利尿作用が強く、かえって脱水を招くことも。
基本は 水・麦茶・白湯 がおすすめです。
3️⃣ 寝る前・外出前の一杯
特に 朝起きたとき・寝る前・外出前 には意識して水分をとるようにしましょう。
こんな症状があれば、早めに受診を
-
トイレが近くなった
-
排尿時に痛みがある
-
残尿感や下腹部の違和感が続く
これらの症状がある場合は、自己判断せずに、早めの受診をおすすめします。
膀胱炎は、適切な治療を受ければ早期に改善する病気です。
最後に
膀胱炎は誰にでも起こりうる身近な病気ですが、日々の水分管理と早めの対応でしっかり予防・対処できます。
夏の暑さが本格化するこの時期、ぜひご自身の水分摂取を見直してみてください。また怪しいなと思ったらいつでもご相談ください