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【専門コラム】
再発膀胱がんの新しい選択肢「TULA」
― 世界が注目する【再発膀胱癌日帰りレーザー手術】とは ―
◆ 膀胱がんは「再発しやすいがん」です
膀胱がんは、特に「筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)」と呼ばれるタイプで、手術後も再発しやすいことが知られています。患者さんの中には、数ヶ月~数年おきに再発を繰り返すケースも少なくありません。
こうした再発膀胱がんに対して、従来は「TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)」という入院を伴う手術が主流でした。
しかし近年、身体への負担が少なく、日帰りで行える新しい選択肢として、レーザー手術「TULA(経尿道的レーザー切除術)」が世界中で注目されています。
◆ TULAとは?
― 最先端の“日帰りレーザー治療”
TULA(Transurethral Laser Ablation)は、内視鏡を使って膀胱内にレーザーを照射し、再発した腫瘍をピンポイントで蒸散・除去する低侵襲な手術です。
当院では、日本の無床クリニックとして初めてTULAを導入し、患者さんが入院せずに膀胱がん治療を受けられる環境を整えています。
◆ なぜ今、TULAが注目されているのか?
― 世界のガイドラインと研究が後押し
欧州やアメリカの泌尿器科学会では、TULAの有効性と安全性に関するデータが次々に発表されています。
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**欧州泌尿器科学会(EAU)**では、「レーザー切除は再発膀胱がんにおいて有効な選択肢」として推奨されています
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アメリカのNCCNガイドラインでは、「患者の状態に応じた低侵襲治療」として位置づけられており、さらに複数の国際研究で、TULAは「再発率・治療成績は従来手術と同等」でありながら、「合併症が少なく、患者満足度が高い」ことが示されています。
◆ どんな患者さんにTULAは適している?
TULAは以下のような条件を満たす方に特に効果的とされています。
✅ 再発した表在性の膀胱がん(初発や根が深いタイプのものには適さないため施行はいたしません)
✅ 腫瘍が3cm以下で、数も少ない(1〜3個程度)(術前に腫瘍の位置や大きさ、状況によって適応を決定いたしますので必ずしも大きさはこの限りではありません)
✅ 高齢や持病などで、全身麻酔や入院を避けたい方
✅ 仕事や生活にできるだけ影響を出したくない方
◆ 当院でのTULA:無床でもここまでできる
当院では、最新のレーザーシステムと内視鏡を用いたTULAを、完全日帰りで実施しています。
【治療の流れ(当日)】
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局所麻酔による軽い麻酔
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膀胱鏡で腫瘍を確認
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レーザーでがんを蒸散除去
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術後出血が無く排尿が確認できれば帰宅可能(原則、入院なし)
その後は翌日以降も外来で経過観察を行います。
◆ 世界が認める“低侵襲がん治療”を、あなたの街のクリニックで
膀胱癌の再発に悩む方にとって、TULAは負担を減らしながらも、がんを治療できる選択肢の一つです。
再発膀胱がん治療の「常識」がいま、大きく変わろうとしています。
私たちは、「必ずしも入院しなくても、がんが治療できる時代」の選択肢を得ることを目指し、最先端の技術を地域の皆さまへ届けてゆきます
手術に関しては適応がきちんとあるかどうかが最重要事項となりますのでまずはご相談ください
✅ ご相談・ご予約はこちら
ゆきがや泌尿器科クリニック
☎ 03-6451-7622
アクセス:東急池上線石川台駅 徒歩2分