
目次
夏に悪化する“前立腺肥大症”
―夜間頻尿と暑さの関係―
■ 前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症とは、加齢に伴って前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで排尿障害を引き起こす疾患です。
主な症状には、
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尿の勢いが弱い
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頻尿
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夜間の排尿回数が増える(夜間頻尿)
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尿のキレが悪い
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残尿感
などがあり、特に50歳以降の男性に多くみられます。日本人男性の3人に1人が排尿の悩みを抱えているともいわれています。
■ 夏に症状が悪化するって本当?
前立腺肥大症は「寒い時期に悪化する」というイメージがありますが、実は夏にも悪化しやすい要因が存在します。その主な理由を以下にご紹介します。
◉ 理由①:脱水によって尿が濃くなる
夏は大量の汗をかくため、知らないうちに脱水気味になってしまいます。
体内の水分が不足すると尿が濃くなり、膀胱への刺激が強くなることで頻尿や残尿感が増す傾向があります。
◉ 理由②:水分の摂りすぎで夜間頻尿が悪化
熱中症対策として水分補給は大切ですが、夕方〜夜にかけて多くの水分を摂ると、夜間の尿意が増加します。
これが「夏になると夜トイレが近くなる」一因です。
◉ 理由③:冷房による下半身の冷え
室内の冷房が強すぎると、下腹部や足元が冷え、膀胱や前立腺周辺の血流が悪化します。これにより、排尿コントロールが乱れ、頻尿が悪化することがあります。
■ 夏を快適に過ごすためのポイント
以下のような生活習慣を意識することで、夏場の排尿トラブルを軽減することができます。
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● 水分は“こまめに”・“昼間に”摂る
→ 一度に大量ではなく、午前〜夕方に分けて補給を。 -
● 夕方以降の水分摂取は控えめに
→ 就寝前2時間は水分を控えることで、夜間頻尿の予防に。 -
● 冷房で身体を冷やしすぎない工夫を
→ 冷気を避けたり、腹巻きやひざ掛けで下半身を保温。 -
● アルコール・カフェインを控える
→ 利尿作用があるため、頻尿や夜間の排尿を促進します。
■ 夜間頻尿が気になったら早めのご相談を
「最近、夜トイレが増えたな…」「眠りが浅くなった」と感じる方は、
前立腺肥大症の進行サインかもしれません。
お薬や生活習慣の見直しによって、症状の改善が期待できます。
当院では、前立腺肥大症の診断から治療まで専門的に対応しておりますので、
どうぞお気軽にご相談ください。