膀胱癌について|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

〒145-0065東京都大田区東雪谷2-23-10
03-6451-7622
ヘッダー画像

コラム

膀胱癌について|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

すっかり寒くなり、トイレが近くなってきた今日この頃。またこの季節かと思う方も少なくないと思います。尿の通り道は寒さにとても敏感です。頻尿はとてもよくある症状ではありますが、陰に怖い病気が隠れている可能性があります、その代表の一つは間違いなく膀胱癌です。

12月9日に膀胱癌で闘病されていたキャスター小倉智昭さんが亡くなられました。2016年から膀胱癌を患い治療をお受けになっていたようですが病気の進行が勝りこのような大変残念な結果となったと報道されています。ご冥福をお祈りいたします。

膀胱癌は正式名称を尿路上皮がんといい、きちんと適切な時期に治療が介入できないと命に係わる可能性が高い病気の一つです。しかしながら冒頭で記載したように『普通の症状の影に隠れている』という特徴があります。ただの頻尿だと思っていて放置していたら大きなできものが膀胱の中にできていた、頻尿が収まらずに放っておいたら突然血尿が出た。など通常のよく見る症状から突然見たことのないような怖い症状がでて、慌てて病院を受診する。このような経過は泌尿器科医にとって非常によく見る光景の一つです。 

悪性腫瘍に関してはとにかく治療を始める時期が早ければ早いほどうまくいく可能性が高く、早期発見が何より重要です。しかしここでひとつ大きな問題があります。膀胱癌に関していえば皆さんが想像するような血液等で測れる腫瘍マーカーといわれるものが存在しません。そのため、医療がこれだけ発展している現代においても、まずは身体症状、各種検査(尿検査、超音波検査)等の所見を丁寧に拾い集め診断をするという方法しかないのが現状です。なのでとにかくご自身一人一人がもしかしたら自分もそうかもしれないと思うことがとても大切なのです

 

以下の症状があったら迷わず相談ください 

 

目で見て赤いおしっこ 痛くない

医学用語では無症候性肉眼的血尿といい、膀胱から腎臓の中までの尿路の通り道の悪性腫瘍の検査を検討する必要があります。とてもびっくりする症状なのですが、ここで怖くて病院にかかれなかったほっといてしまったという人が一定数います。確かに気持ちはわかるのですがここで見つけられるかどうかが本当におおきな分かれ道になってきます。是非、放っておくことなく受診の一歩を踏み出していただきたいと考えています。

 

異常なほどの頻尿

突然トイレに行きたくなり、駆け込まないと間に合わない、もしくは漏らしてしまうような症状を膀胱過活動状態といいます。膀胱機能そのものの問題のこともあるのですが、膀胱やその周辺に悪性腫瘍や結石などがあることで直接膀胱が刺激をされて頻尿になってしまう状態です。ただの頻尿と決めつけずにキチン検査をすることが必要です。

 

検診で何度も尿潜血を指摘されている方

これもかなりの数いらっしゃると日々感じでいます。もちろん大多数は問題のない所見であることが多いのですが、なかなか検査をしてみないとわからないので何とも言えないというのが正直なところです。年齢、性別、生活背景、嗜好品の有無などを検討し各種検査を行います。一般的には尿潜血から本物の癌が見つかる可能性は数%であるといわれていますが、本当に見つかることがあることも事実です。放置せずにぜひご相談いただきたいと思います

 

膀胱癌において重要なことは『症状が出にくく見つかりにくい』という点にあります。小倉智昭さんもご自身で亡くなる前に同僚のアナウンサーに対してこのようなことを言っていたと記事にありました。

 

以下yahoo ニュース記事の転載です。

「16年春に(がんを)宣告され、セカンドオピニオンまで受けて、それ以外の治療を選んで…民間療法という形で随分お金を投じた。それによって2年半遠回りをしたことを…本人は『やっぱりお医者さんの言う(勧める)治療、標準治療を受けていたら、俺の人生変わったかも』と話されていた。『何かあったら大村の口から伝えてくれ』と」と、小倉さんから託されたメッセージを伝えた。

 

闘病生活自体はなったことのあるご本人しかわかりませんが、たくさん考えてこのようにしておけばよかったと考えたことをこのように皆さんに伝えたいと語ってくれています。このような著名な方の闘病生活の記録や考えが皆さんの目に触れることはあまり聞かない病気に関心を持てる大きな機会です。皆様にとってご自身もそうかもしれないと考えるきっかけになってくれることを願います。少しでも不安な気持ちがあれば当院にご相談下さい