2024年5月13日、周囲の方々の大いなる支えのおかげでようやくゆきがや泌尿器クリニックを開院することができました。開院までの道のりは遠く、構想から約2年間準備をしてこの日を迎えることができたことは私にとって大変うれしい出来事であり、また人生の大きな転換点であると感じています。自分の想う医療を地域の皆様に届けてお役に立てれば何よりうれしいです。
まず初めに『泌尿器科』という科目について少し説明をしておこうと思います。あまり皆様には聞きなじみのない泌尿器科かと思います。まず大変高齢の方が受診することが多い科目の代表の一つです。一番多いお悩み相談がトイレが近い、夜間にトイレで起きてしまうということ。通称、頻尿、夜間頻尿、過活動膀胱と呼ばれる症状です。年齢を重ねると誰しもが言われてみれば、、、という症状の一つです。ほとんどの方は『もう歳のせいだから、、、』とあきらめてしまいます。しかしコントロールをしっかりしようとするのか本当にあきらめるのかではその先の人生の生活の質は大きく変わってしまうと思います。また運が悪い場合、頻尿だと思っていたら見つかっていない膀胱がんがあった、、、などの怖いイベントが発生している可能性が一定数あることは事実です。このようなことは実はよくあることで、2番目に取り扱うことが多い疾患は、この尿の通り道にできる『悪性腫瘍』です。そのため診療の半分程度は手術をすることが仕事という外科系の診療科になります。特に内視鏡という細いカメラを使った手術をすることが得意な科となります。体に大きな傷を作らずに手術を完遂する高い技術力があります。高齢の方が多いということがあるため特に体にかかる負担を少なくすることは患者さんにとって大きなメリットです。今ではかなり普及している手術用ロボット『da-Vinci(ダヴィンチ)』も実は泌尿器科手術用に最初は設計、使用されたものです。先端医療から一般的な内科的症状である頻尿のような病態、ほかには尿路結石や前立腺肥大症のレーザー手術や性器脱の手術、特殊なものでは尿路の再建手術なども行う幅広く行うため、いろいろなことにある程度以上、精通せざるを得ない科となります。各々得意分野がありますが簡単な症状以外なことでもある程度の幅を持って皆様のご相談に乗れるかと思います。特に私は前立腺肥大症に関してのトピックスが得意なのでその点について相談したいということであればそのことだけでも受診していただければと思います。
次にこの大田区石川台という土地についてですが、初めて駅を降りたときからなんとも言えない昔ながらのいい雰囲気がある街並みでした。病院のすぐ近くには昔ながらの商店街があり、すぐ向こうには中原街道が通っていて車でも大変アクセスのよい場所です。田園調布、奥沢、久が原、大岡山、旗の台、五反田、どこに出るにしても電車一本、もしくは自転車で行ける大変利便性のいい住宅地。保育園もたくさん近くにあり子育て世代の方たちにとっても大変すごし易い環境だとおもいます。上記のエリアは半径3キロメートル以内ですが泌尿器科はとても少なく、この地域の方たちは当院ができるまで自由が丘まで通院されていたという話を開院後に大変よく聞き、本当にこの場所を選んでよかった。そんな風に考えています。地域の方たちとのかかわりを大切に今後もゆっくりと成長をしていけたらよいと考えています。
今後、各疾患ごとにコラムを掲載してゆきますのでよろしくお願いいたします