女性の泌尿器疾患|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

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女性の泌尿器疾患

女性の泌尿器疾患|ゆきがや泌尿器クリニック|大田区東雪谷の泌尿器科、石川台駅徒歩2分

女性の泌尿器疾患

40歳を超えると排尿のトラブルに悩まされる方も増えてきます。子宮など女性生殖器の存在や、男性と違い尿道が短いことなどから、女性の排尿症状は多岐にわたります。

頻度としては圧倒的に膀胱炎が多く、症状も強いことからお困りの方も多いです。中には繰り返す膀胱炎もあり1-2か月おきに頻繁に罹ってしまわれる方もいます。そのような場合はただの膀胱炎ではない可能性も考えますので専門医にご相談ください

女性泌尿器でよくみられる症状と疾患

こんな痛みや症状はありませんか?

  • 急にトイレに行きたくなって漏れそうになる(尿意切迫感)
  • 尿が漏れてしまう(尿失禁)
  • 排尿時に痛みがある(排尿痛)、背中の痛みが出る
  • 下腹部に痛み、違和感がある(下腹部痛、下腹部違和感)

日常的に起こりやすい症状でも、痛みを伴わない基本的な検査を定期的に行うことで重篤な病気の早期発見につながることもあります。一人で悩まず、何でもお気軽にご相談ください。

尿失禁

尿失禁(尿もれ)は、40歳以上で30~40%の方が経験しているといわれており、トラブルを抱えて悩んでいる女性も少なくありません。尿失禁は自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう症状のことを言います。一般的に「切迫性尿失禁」「腹圧性尿失禁」「溢流性尿失禁」「機能性尿失禁」に分類されています。
切迫性尿失禁は、急に襲われる切迫感のある尿意があり、我慢できずに漏れてしまうという症状です。排尿コントロールがうまくいかず、トイレに駆け込む事態が生じ、外出や乗り物の移動中に困ることがあります。腹圧性尿失禁は女性の尿失禁の中で最も多く、咳やくしゃみ、笑ったときや重い荷物を持ったときなど、お腹に圧力がかかったときに尿が漏れてしまう症状です。骨盤底の筋肉の緩みが原因で、妊娠や出産、加齢などを契機に発症します。このほか、尿を排出したいのに出せず、少しずつ漏れてしまう溢流性尿失禁や、認知症や運動機能の低下が原因で起こる機能性尿失禁などがあります。

尿失禁は、状態や症状に応じて治療と対策方法が異なりますのでまずは診断をキチンとすることが大切かと思います。非常によく見かける症状ではありますがなかなか人に言えずに経過を見ていたり我慢したりする方が非常に多い印象です。高齢の方だけではなく、出産後の女性にも骨盤底筋の緩みと部分的な損傷により一時的にほぼ必ず見られる症状ですので諦めたりせず、早めにご相談ください。

当院では骨盤底筋のゆるみに対しての専用治療機器を導入しておりますのでそちらも併せて使用することでより良い結果が得られる可能性があります。

 

膀胱炎

女性に多く、頻尿、血尿、排尿時の痛みが特徴的な病気です。多くは排尿の最後のほうや排尿後にしみるような不快な痛みを感じます。悪化してくると残尿感がひどく、何度もトイレに行くようになり、はっきりとした痛みを伴い血尿が現れることもあります。膀胱炎は何らかの原因で尿道から細菌が膀胱へ侵入することによって起こります。一番の原因となる頻度が高いのは大腸菌ですが、通常は抗生剤治療で数日以内に完治することがほとんどですしその後問題ないケースが多いです。しかし繰り返し易いことが最大の特徴の一つであることと、あまりにも頻回に繰り返す場合には膀胱機能そのものに原因があることや隠れた病気(膀胱をはじめとした尿の通り道の腫瘍、結石、その他)などほかの原因が見つかることもあるため精査をしてみるのも一つの手かと思います。早めの受診をお勧めします。また女性の場合は女性ホルモンに関連を持った特殊な膀胱炎である可能性も否定はできず、診断そのものが難しいためお困りの際は気軽に相談ください

膀胱炎の代表的な症状

  • 排尿時の痛みや違和感(ツーンとする痛み)
  • 頻尿(トイレに行く回数が増える)
  • 残尿感(排尿してもスッキリしない)
  • 尿の濁りや血尿(炎症が強い場合)
  • 下腹部の違和感や軽い痛み

※発熱や腰の痛みがある場合は 『腎盂腎炎(じんうじんえん)』 の可能性もあるため、早めの受診が必要です。

性別の差と原因について

明確な統計はありませんが、膀胱炎は圧倒的に女性が多く、その理由のひとつとして考えられるのが、男性と女性で尿道の長さが違うことです。

膀胱炎の主な原因は、大腸菌などによる細菌(ばい菌)感染です。細菌が尿道口(おしっこの出口)から侵入すると、尿道を通って膀胱に到達し、膀胱内で細菌が増殖して膀胱表面の粘膜に炎症が起こることで発症します。

尿道口から膀胱までの尿道が、男性は約17〜20cmあるのに対し、女性では約3〜4cmしかありません。そのため、女性は男性に比べて尿道口から侵入した細菌が膀胱に到達しやすいのです。

また、女性は多くの細菌が常在する膣や肛門が尿道口と近く、排便や性行為などによって尿道口から細菌が侵入しやすいというのも、膀胱炎が女性に多い理由です。

 


膀胱炎の原因

主な原因は細菌感染で、特に大腸菌が尿道を通って膀胱に侵入し、炎症を引き起こします。
女性に多い理由

  • 尿道が短く、細菌が膀胱に侵入しやすいため
  • 性行為や生理中などで細菌が入りやすくなる
  • ストレスや疲れで免疫力が低下する

その他の原因

  • トイレを我慢する(細菌が増殖しやすくなる)
  • 水分不足(尿の流れが悪くなり、細菌が排出されにくくなる)
  • 糖尿病(免疫力が低下し、感染しやすくなる)

膀胱炎の治療

細菌が原因の場合(急性膀胱炎)
抗生物質の服用(数日で改善)

慢性膀胱炎の場合
長期間の治療(体質改善や生活習慣の見直しが必要)

日常でできる対策・予防

  • 水をしっかり飲む(細菌を流し出す)
  • トイレを我慢しない(尿と一緒に細菌を排出)
  • 清潔を保つ(特に性行為後は排尿を心がける)
  • 疲れやストレスを避ける(免疫力を維持)

まとめ

膀胱炎は比較的軽い病気ですが、放置すると腎臓に影響を及ぼすこともあります。症状が出たら早めに受診し、治療を受けることが大切です!
予防のために、日常の生活習慣も意識しましょう。

 

以下からは繰り返す膀胱炎(反復性膀胱炎)の特徴に関しての説明となります

反復性膀胱炎の原因について

反復性膀胱炎は主に細菌感染がメインで起こります 

反復性膀胱炎の原因菌

原因となる細菌には、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、腸球菌などがありますが、大腸菌が最も多くのケースで原因となっていることが多いです

非細菌性の要因

反復性膀胱炎の中には、細菌感染によらないものも存在します。例えば、尿路の解剖学的異常や膀胱過敏症、免疫機能の低下、ストレス、ホルモンの変化などが関与していることもあります。 特に更年期や糖尿病患者においては、免疫系の機能低下が細菌繁殖を助長し結果として膀胱炎として出てくることがあります

性的活動

性交渉は、女性における膀胱炎の原因の一つです。性器周辺の衛生環境の管理も膀胱炎を起こさないためには重要な要素となります

反復性膀胱炎の治療

反復性膀胱炎の治療には、主に抗生物質の投与が行われます。

予防的抗生物質投与

再発性膀胱炎が頻繁に発症する場合、予防的に抗生物質を長期的に使用することがあります。 同様に、性交後に抗生物質を摂取する方法や、低用量で毎日摂取する方法などもあります。

しかし、耐性菌発生の観点からは長期間の予防内服は推奨されておらずケースによると考えられます

 その他の治療法

抗生物質以外にも、膀胱を温めることで症状改善を早める方法や、排尿を促進するための薬物が併用されることもあります。

反復性膀胱炎の予防法

反復性膀胱炎の予防には、生活習慣の改善が重要とされていますが、絶対に予防ができる方法はないとされています。 

排尿の管理

定期的に排尿することは、膀胱の清潔を保つためには非常に重要であると考えられています。

その他の要因

また、排尿後の拭き方にも注意が必要です。尿道に便の細菌が入り込むことは膀胱炎の発症のリスクになります。女性の場合は前から後ろへ拭くことが推奨されています。 

水分摂取

十分な水分を摂取することも予防に効果的です。 尿を頻繁に排出することによって、膀胱内に細菌を繁殖させにくくします。

 最新の知見と研究動向

近年、反復性膀胱炎の治療法や予防法に関する研究は進んでおり、新しい治療法予防法の開発が進められています。例えば、プロバイオティクスの使用が膀胱炎の予防に有効であるとの報告もあり、腸内フローラの改善が膀胱の健康に良い影響を与えています

また、抗生物質の耐性菌問題が本格化する中で、非抗生物質的な治療法(例えば、細菌の感染を抑制するワクチンの開発など)も注目されてきています。

主な治療法

①抗生物質の投与 (尿の詳しい培養検査を追加して抗生物質との相性を確認できると一層治療としては正確なものとなります)

②ほかに原因がある場合(尿路結石、尿路悪性腫瘍等)は同時に原因を除去する方法を考え優先順位が高ければそちらから行わないと膀胱炎の改善に至らないこともあります

また別の記事でのご紹介にはなりますが、反復性膀胱炎には女性ホルモン関連性に発生するものもありますので定期的に女性ホルモン類似物質をサプリメントで投与すると再発の頻度が抑えられ快適に生活できる期間が長くなることもあります。症状でお困りの方はご相談いただければと思います

参考文献

■論文情報
論 文 名:Homology of Escherichia coli isolated from urine and vagina and their antimicrobial susceptibility in postmenopausal women with recurrent cystitis
邦 題 名「閉経後女性の反復性膀胱炎における尿中および膣内大腸菌の相同性と抗菌薬感受性」
掲 載 紙:Journal of Infection and Chemotherapy
著  者:Takanori Sekito, Takuya Sadahira, Hidetada Hirakawa, Ayano Ishii, Koichiro Wada, Motoo Araki

 

腎盂腎炎(じんうじんえん)

尿路に起こる細菌感染症の一つです。腎臓内にある尿のたまる部位を腎盂(じんう)といいますが、そこに膀胱から大腸菌などの細菌が逆流することで感染を起こします。急な発熱、悪寒、吐き気、脇腹や腰の痛みなどの症状が出ます。抗菌薬で治療し、3〜5日ほどで熱は下がりますが、治療が遅れると重症化し入院が必要なこともあるので早期の治療が大切です。
女性は、尿道長が短く、膣に細菌が定着しやすいことから、大腸菌などの細菌が尿道口から侵入しやすいため、男性に比べ尿路感染症が起こりやすいとされています。原因は尿管結石や生理で衛生管理が一時的に難しいこと、妊娠期に尿の流れが悪くなる(子宮が大きくなることで尿管を圧迫する)ことも要因として考えられています。熱が出る、背中が痛い。そんな症状がある方は我慢せず受診をすることをお勧めいたします。糖尿病がある方や女性は腎臓に感染がおこりやすいため調子が悪いときは無理をせずご相談ください 以下に詳しく記載します

腎盂腎炎(じんうけんえん)とは、腎臓の一部である腎盂(じんう)と腎臓自体に炎症が起きる疾患です。腎盂腎炎は主に細菌感染によって引き起こされることが多く、尿路感染症の一部として発生します。以下に基本的な事項をわかりやすく説明します

1. 腎盂腎炎とは

腎盂腎炎は、腎臓内の腎盂(尿を集める部分)と腎実質(実際に尿を生成する部分)の両方が炎症を起こす病気です。この炎症は、主に尿路から上行してきた細菌が腎臓に反対向きに感染してしまうことで起こるといわれています

2. 原因

腎盂腎炎の主な原因は細菌感染です。多くの場合、尿道や膀胱から細菌が上行し、腎臓に感染します。最も一般的な原因菌は、大腸菌(E. coli)です。特に女性は尿道が短いため、感染しやすい傾向があります。

3. 症状

腎盂腎炎の症状には、以下のようなものがあります:

  • 高熱(38度以上)
  • 腰や背中の痛み(特に腎臓のあたり)
  • 頻尿、排尿時の痛み
  • 吐き気や嘔吐
  • 血尿(尿に血が混じることがある)
  • 体調不良、倦怠感

4. 診断

腎盂腎炎の診断は、主に患者の症状と尿検査、血液検査、場合によっては画像検査(超音波検査やCTスキャン)を基に行われます。尿中に細菌や白血球が見つかることで、感染症が確認されます。

5. 治療

治療は主に抗生物質による薬物療法です。軽度の場合は、経口薬(口から飲む抗生物質)で治療しますが、重度の場合や合併症がある場合は、入院して点滴による抗生物質治療が行われます。症状が改善するまで数日間の治療が必要です。

6. 予防

腎盂腎炎を予防するためには、以下のような対策が有効です:

  • 十分な水分摂取
  • トイレに行きたいときに我慢せずすぐに行く
  • 排尿後に、前から後ろへ拭く(女性の場合)
  • 定期的に尿を排出し、膀胱に細菌が溜まらないようにする

7. 注意点

腎盂腎炎を放置すると、腎不全や敗血症などの重篤な状態に進行する可能性があります。早期の診断と治療が重要です。


腎盂腎炎は適切な治療を受ければ、ほとんどの場合は完治します。しかし、症状が疑わしい場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

 

 

尿路結石

腎臓から尿道につながる尿路に結石ができる疾患で、結石のある部位によって腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分けられます。泌尿器科外来で頻度の高い疾患の一つで、20人に1人が一生に一度は罹患し、男性が女性の約3倍多いとされています。

代表的な症状としてはとんでもない激痛が起こり、発熱や吐き気、嘔吐を伴うこともあります。あまりの痛みに救急車で運ばれたなどの話は皆様も一度は耳にしたことがあるかも知れません。尿検査、画像検査(超音波検査・レントゲン検査・CT検査など)で疑わしい場合、まず強力な鎮痛薬を使用し痛みを抑えます。その後、結石の大きさや位置を確認し、治療方針を検討します。5ミリ以下の小さい結石であれば、薬剤を使い自然に体外に結石が出るタイミングを待つ保存療法が基本になります。大きな結石や、自然排石が難しいと考えられる場合には、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)やレーザーを用いた内視鏡手術(TUL、PNLなど)が行われます。内視鏡手術に関しては基本的に入院が必要ですが、体外衝撃波による破砕の場合は外来通院で加療を行うことが可能な場合もあります。いずれにせよ専門機関での検査、治療が必要になることも多く必要に応じて機関病院へご紹介することも検討いたします。症状を無理に我慢すると腎盂腎炎などを起こしてしまい命に関わるほど重症化してしまう可能性もあるため早めに受診を検討することをお勧めします。

 


1. 尿路結石の原因

尿路結石は、尿の中のミネラル成分が固まり、結晶化することで発生します。主な原因には以下のようなものがあります。

(1)食生活の影響

  • シュウ酸やカルシウムの過剰摂取
    • ほうれん草、ナッツ、チョコレート、紅茶などシュウ酸を多く含む食品の摂りすぎ
    • カルシウムとシュウ酸が尿中で結合し、結石が形成される
  • 動物性タンパク質の過剰摂取
    • 肉類や魚の摂りすぎが尿の酸性化を引き起こし、結石ができやすくなる
  • 塩分の過剰摂取
    • 塩分を多く摂ると、尿中のカルシウム排泄が増加し、結石形成のリスクが高まる

(2)水分不足

  • 水分摂取が少ないと尿が濃縮され、結石ができやすくなる
  • 特に汗をかきやすい夏場はリスクが上昇します

(3)生活習慣や病気

  • 肥満・メタボリックシンドローム
    • 肥満や糖尿病は尿のpHバランスを崩し、結石形成の原因になる 7割は体質によるものであるといわれています
  • 痛風・高尿酸血症
    • 尿酸値が高いと尿酸結石ができやすくなる
  • 遺伝的要因
    • 家族に尿路結石の患者がいる場合、発症リスクが高まる

2. 尿路結石の治療

尿路結石の治療方法は、結石の大きさ・場所・症状によって異なります。日本の診療ガイドラインでは、以下のような治療が推奨されています。

(1)自然排出を待つ(保存的治療)

  • 対象:結石が5mm以下で、激しい症状がない場合
  • 方法
    • 水分を多く摂る(1日2L以上の水分摂取を推奨)
    • 適度に運動する(ジャンプやウォーキングで結石の排出を促す)
    • 鎮痛薬を使用する(ロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬を服用)
    • α遮断薬(タムスロシンなど)を使用することもある(尿管の筋肉を弛緩させ、排出を助ける)

(2)体外衝撃波砕石術(ESWL)

  • 対象:結石が5~20mmで、自然排出が難しい場合 → ただし、位置と大きさによるため個人によって治療適応に大きく差がでます
  • 方法
    • 体外から衝撃波を当てて結石を砕き、尿とともに排出させる
    • 非侵襲的で体への負担が少なく、日帰り治療が可能
    • 砕いた後に尿管で詰まることがあるため、事後管理が重要

(3)内視鏡手術(TUL・PNL・ECIRS)

  • 対象:結石が20mm以上で、自然排出やESWLが困難な場合
  • 方法
    • TUL(経尿道的結石破砕術)
      • 尿道から細い内視鏡を挿入し、レーザーで結石を砕く
      • 尿管結石に適用されることが多い
    • PNL(経皮的腎砕石術)
      • 背中から腎臓へ直接管を入れ、大きな結石を砕いて取り除く
      • 大きな腎結石に適応 

(4)開腹手術(まれなケース)

  • 直径2cm以上の巨大結石や、他の治療が困難な場合に適応 
  • 現在では内視鏡手術の発展により、開腹手術が必要になることはかなり少ない

3. 尿路結石の予防

尿路結石は再発しやすいため、以下のような生活習慣の改善が推奨されます。

(1)水分を十分に摂る

  • 1日2~2.5Lの水を飲む(特に寝る前と起床後にコップ1杯の水を摂取)
  • 夏場や運動時はこまめに水分補給

(2)食事の見直し

  • 塩分を控える(1日6g未満が推奨)
  • シュウ酸を多く含む食品を避ける(ほうれん草、チョコレート、紅茶、ナッツ類など)
  • 動物性タンパク質を摂りすぎない(肉や魚の過剰摂取を避ける)
  • クエン酸を含む食品を摂る(レモン・梅干し・柑橘類は結石形成を抑える効果がある)

(3)適度な運動

  • 軽いジョギングやウォーキングを習慣化する
  • 長時間の座りっぱなしを避ける(尿の流れを良くするため)

まとめ

尿路結石は、食生活や生活習慣の影響を受けやすく、再発しやすい病気です。

  • 5mm以下の小さな結石は自然排出を促す
  • 5~20mmの結石は手術、衝撃波治療(ESWL)も位置により有効だが、基本的にはTULといわれる経尿道的内視鏡砕石術が成功率も高く標準治療としての普及率も高い
  • 20mm以上の大きな結石は内視鏡手術(PNL・ECIRS)が必要
  • 予防には水分摂取と食生活の改善が重要

痛みや血尿などの症状があれば、早めに専門医のいる医療機関を受診しましょう。特に治療法に関しては治療選択と適応が何よりも治療の成否を分けるためしっかりと相談する必要があります。

骨盤臓器脱・性器脱

加齢の変化で骨盤底の筋肉が弱くなり、子宮や膣壁が正常の位置より病的に下垂する病気です。進行すると膣外に子宮、膣、膀胱、などの臓器が出てしまう状態になります。お年を重ねるごとに筋肉は弱ってきてしまうため頻度が上がるといわれております。

軽度ではほとんど自覚症状がなく、進行すると尿失禁や頻尿、異物感などが生じてきますが、脱出部位により、症状は様々です。あまりに脱出がひどい方は尿が全くでない(尿閉)という状態になってしまうこともあります。治療は体操(骨盤底筋訓練)、ペッサリー(膣内に器具を入れて下垂を抑える)療法、手術療法があり、症状や年齢によって選択されますが、投薬治療は一般的には治療効果はほどんど望めず、物理的改善を期待できる手術療法を選択することが多いです。

過活動膀胱

頻度と症状

日本では人口の約15%程度、1000万人以上の男女が罹患するといわれている頻度の高い病気です。
膀胱の収縮活動がコントロールを失い、膀胱に尿が十分にたまっていない段階から、膀胱が過度に反応してしまい強い症状がでてしまう状態です。頻尿と強い尿意が頻発し(尿意切迫感)、我慢することができず、トイレに行くまでの間にも漏らしてしまう症状(切迫性尿失禁)などが発生します。前立腺肥大症、慢性的な膀胱の炎症などによる刺激、脳血管疾患の既往、精神的なストレスなど原因は様々ですが、原因がはっきり特定できないケースも少なくありません。また、膀胱の不調だと思っていたが実は腰が悪いことが原因になっていたということも非常によく見かけるケースです。しかし、このケースの診断は泌尿器専門科でないと難しく、診断がつかずいろいろな病院を受診していることも少なくありません。

診療では、他の病気の可能性も含めて、問診、排尿日誌や身体検査(腹部エコー検査、血液検査、尿検査、尿流測定など)を行います。生活習慣の見直しで症状の改善が見込めることもある病気ですので、内服治療をメインに行いますが薬だけに頼らず生活習慣の見直しや指導も積極的に行っていきます。

また投薬をしてもどうしてもコントロールの難しい症状に対してはボトックス膀胱壁内注入療法やテスラ磁気治療システム(詳しくはスターフォーマーProのページを参照ください)を用いた治療も検討いたします。

ボトックス膀胱壁内注入療法はこちら